【第12回】クロスフィールド・トーク -「地域創生は「縦」と「横」。縦横無尽の視野がカギ」- 唐木重典×赤羽良剛

2015年10月30日

昨年秋、第二次安倍内閣の目玉「まち・ひと・しごと創生本部」が設立され、各世代が安心して暮らせる環境づくりに取り組み、地方の活力を高めようと努めている。
NTTデータ経営研究所 取締役 唐木重典氏に、「地域文化」の継承を切り口に地域継承おける取捨選択の判断基準をうかがいました。

地域創生は「縦」と「横」。縦横無尽の視野がカギ

赤羽 地域創生は様々な角度から取り組まれています。各地に赴いたときに肌で実感することを教えてください。

canvas-12-02唐木 多くの場合、継承している伝統文化の素晴らしさに自信を持たれていないと感じます。自分たちがいかに貴重な文化を繋げているかを図ることができていないのです。
地方創生というと、まるで「小さな東京・都会」を創るようなイメージを持たれているのかもしれませんし、都会と同じでないことに「劣等感」を感じているのかもしれません。この認識を覆していただきたいですね。

赤羽 確かに残すべき、祭りや技術が日本各地に点在しています。これを次世代に受け継ぐことは、現在のIT技術を駆使したらできそうですがいかがですか?

唐木 人口の編成にもよりますね。過疎化やご年配の方ばかりで動態保存することが難しいなどの事例もあるでしょう。このような事情がある場合は、現存しているものをアーカイブ(記録)として残しておき次世代以降、対応できる人材がそろった時に再スタートをすることもできると思います。100パーセントを一時期にすべて残すのは難しいと判断します。何か一つ、秀でるものを見抜く力を養うことが今必要なのではないでしょうか。

canvas-12-03赤羽 継承は人の手によって行われます。各地域の伝え手は何を意識すべきでしょうか?

唐木 縦と横のラインを意識して欲しいです。縦とは、時代の流れです。年配の方には自分たちの時代には当たり前にできたことが時代の変化とともにできなくなっていることがあるという自覚を、そして若い方にはその土地に伝わる歴史を把握するという努力です。
横とは、今の世界を知る努力です。他者との比較によって、自分たちの地域の良さが浮き立つこともあるでしょう。日本だけではなく、世界に目を向けることにより見えなかったものが見えてくると思います。