【第15回】クロスフィールド・トーク-芸術活動に求められるスピード感。 インターネットの普及、高速化で一変したアートの世界-うるまでるび×赤羽良剛

2016年9月16日

自らを「絵描き」と称し、様々なヒットコンテンツを生み出してきたうるまでるび。
彼らは日本はアーティストが育ちにくい環境だといいます。
英語でも通じるようになった日本発のサブカルチャー「アニメ」は今後どのように成長していくのか。
また、世界に通じるアーティストの育成には何が必要かを聞きました。

私たちはまずこどもが面白がってくれるかどうか、その反応を大切にしています。

赤羽 うるまでるびさんは、ご夫妻で活動をしていらっしゃるのですね。 お二人が生み出したウゴウゴルーガやおしりかじり虫をはじめ、ヒットコンテンツはどのような背景から生まれてきたのでしょうか?


canvas-15-02うるまでるび
私たちは、20代の頃は働かないと決めて、好きなことを徹底的に楽しんでいました。
しかし、ある日、働かないと食べていけないんだなと気づき働き始めたんです。
幸いにして、私は理系の父の影響でコンピュータに触れる機会が他の人よりも早かったのかもしれません。
コンピュータを使って画をかいて、動かしてみたら面白くて、それを世の中が面白がってくれたんですよ。

赤羽 面白がってくれるという手ごたえはどのようなことで感じてますか?


うるまでるび
私たちはまずこどもが面白がってくれるかどうか、その反応を大切にしています。
なぜなら、大人は、他者の評価等別のフィルターが挟まってしまうから。
子供が純粋に喜んでくれるものなら、喜ぶ子供を見て周囲の大人が喜ぶといった連鎖反応があるかどうかを判断基準にしています。

赤羽 なるほど、子供たちは確かに残酷なまでに素直に反応しますよね。
ところで、ウゴウゴルーガやおしりかじり虫で育った世代は今や働き盛りとして世界を相手に戦っています。
最前線を走る彼らに対してどうおもっていらっしゃいますか?


canvas-15-03うるまでるび
正直なところ、彼らというよりも日本の市場の感覚として、芸術作品やこうした創作活動による成果物を軽んじているところがあるように思います。 たとえば、コマ録りアニメと呼ばれるモノを少しずつ動かして一つのアニメーションにする作品は、創作に莫大な時間がかかります。しかし、その成果物、創作物への対価が低すぎるんです。日本には素晴らしいアーティストが存在するのに、彼らが創作を続けていくために必要な報酬が得られないんです。

赤羽 十分な製作のための資金さえ得られないのでは芸術活動も困難ですね。

うるまでるび そうですね。
一方で、コンピュータ、インターネットが発達した時代だからこそ、メジャーデビューできなくても、ネットを生かして世界発信し、時代に乗ることはできるのです。
音楽業界が廃れているというけれど、レーベルに頼らずに世界に発信し、チャンスを掴んでいるアーティストもいます。
映像もアナログ、デジタル、CG等いろいろなスキルを持った人とともに、世界に発信していけたらいいと考えています。
ジャパ二メーションは世界中のオタクが見ているだけだけれど、 私たちはそれだけではなく、一般の人たちに広く受け入れられるものを作りたいと考えています。