0003_01_thumbいまから四〇年以上前のこと。毎日放送社長室に勤務されていた下村澄さんというかたが主宰されている「知恵の輪」という会員組織があった。

いまでいう異業種交流会(その頃は、そういった名称もなかったが)とてもいうものであったが、下村さんの活発な活動、発信によって、マスコミ等でもよく話題になったものである。

二〇代なかばのわたしも、四、五人の仲間を集め、「ウォーター・クラブ」(この命名には諸説あるようだが、実際はあまり威張って申し上げるような理由ではないので省略)という会を発足させた。

月に一回、安い会員制ラウンジに集まり、飲食しながら交流を深める、というタテマエで、それぞれの知り合いに声をかけ、ゲストとしてスピーチしていただく、という気楽な会。三分間限定の自己アピールが、いわば名物の集まりとして、新聞、週刊誌などにも取り上げられ、ブーム的な風潮にも乗ってさまざまなひとたちが集まってきた。

地方転勤、海外移住、多忙などによって、スタートメンバーは四、五年でほとんどが参加しなくなったが、この会は、なんといまでも次の世代のひとたちによって続けられている。

失われた二十年と言われるこの国の現状をみると、旧来のエラいひとたち中心の伝統的な集合体の多くが、その役割を終えようとしている。存在価値が問われている。”ウィーク・タイ”(やわらかな連携)な関係で、いまこそ、創造性あふれた発信力をもったグループが必要ではないか。

そう考えて、「智恵の和」はいま一歩を踏み出していこうとしている。

多分野、多層的なメンバーの、有機的、実践的なゴールめざしての融合こそ、これからの若い世代へのステップボードとしての意味を創り出せるもの、と信じたい。